1981年にリリースされた2ndアルバム『アウシュビッツ・ドリーム』の約4ヵ月後、極めて短いインターヴァルを経て出た8曲入り3枚目のアルバム。　このあたりから手数、音数を抑え、アイディアとサウンドを直結させようとする方向性が窺える。　相変わらず村川ジミーのヴォーカルには疑問が残るが、1曲目「ルーシファーの小さなホテル」はまるで平沢進率いるP-MODELみたいでアグレッシヴに迫って来る。　続くたいそうなタイトルの2曲目「究極の愛」は、まるでイギリスの前衛バンド、ザ・ポップ・グループのアウトテイクみたいな潔さが光り、村川が短くシャウトしているため技術的な欠点が表面化していない。　しかし、西欧デカダンスへのアプローチかもしれない3曲目「気分をいえば」と4曲目「おうじとこじき」、5曲目「だから？」は、正直言って別なナンバーに差し替えるか、もっと詰めて仕上げるべきだったのでは？　7曲目「時の淵」は変則タンゴ風、タイトルもサウンドも奇妙な8曲目「終夜営業茶屋入口」の緩慢さは捨て難くはある。　やはり、5枚目のアルバム『うたかたの日々』（1983年）の変貌振りが凄過ぎだよなあ・・・